低年齢向けのネットゲームのビジネスモデルとか考えてみる


ハンゲームで考えたついでに低年齢向けのネットゲームの課金システムについて
ちょっと独りよがり考察をしてみようかと。


サバイバルプロジェクトの課金システムはメイプルストーリーと同じく「強いアイテムを買うときは
現金を払わないといけない」でした。具体的には無料で手に入る装備・魔法カードの発動率と
合成率*1をお金を払うことでそれぞれ倍にすることができる、のだそうです。
後はユーザショップなど無料ではそもそも使うことの出来ない機能も使えるようになるとか。
あと、お金払うとキャラクタがそれぞれアップグレードされてかっこよくなります。


こういうシステムは小中学生くらいのユーザにはきっとウケるんじゃないかなというのが
私の勝手な予想です。言うなれば「ベース機能は無料でゲームが遊べるんだけどさらに
スゴい装備やカッコイイキャラを使いたければお金を払わなくちゃいけないシステム」って
そのままだし長いな…


小中学生にウケると言ったのは、その年代が友達の持ってるものを羨ましがる傾向が
特に強いからです。○○の持ってるバッグカコイイ!俺もほしー!とか、○○ちゃんの使ってる
ケータイかわいい!私もあのケータイにする! とか、若い人は昔の自分を思い出してもらえば
また、お子さん持ちの方は子どもの様子を見てればこの力がどれだけ凄いか分かるはずです。


他の子が持ってるアレが欲しい! 特に周りがだいぶ持つようになってくると、仲間はずれに
なりたくなくてより必死になるので、最終的にはクラスの8割方が似たようなものもってた、とか
よくある話です。あれがきっとネトゲでも発生するんじゃないでしょうか。


友達に誘われたから○○ってゲームをはじめてみた。
ゲームは無料だから特に始めるに当たっては何も考えなかった。
でも、遊んでるうちに他の友達のキャラクタのカッコイイ服や装備がうらやましくなってきた
一緒に遊ぶメンバーは半分以上が有料のカッコイイキャラクターを使ってる
よし、僕もお金払おう!


ってなるんじゃないかなあと。


子どもの場合「【ネットだから】お金を払うことに抵抗がある」という世代でも無いはずですが
そもそも「お金を払うことに抵抗がある」ものです。お小遣いそんな潤沢に貰ってる子は少ないでしょうし。
それに、1000円単位でモノをポンポン買う、なんてこともなかなかお小遣いの量を考えると
難しいでしょう。なので、月2000円とか固定になってて、そもそもログインするところから有料に
なっているようなゲームは敷居が高すぎる子も多いでしょう。


そういう子どもの懐事情を考えてみても、キャラやアイテムをチビチビ買うことができるような
システムは手を出しやすいんじゃないでしょうか。


特にハンゲームは、アバターの洋服が60円〜500円程度と、これなら子どもでも抵抗無く
払えてしまうだろうなあという料金設定です。ルームをパスワード付きにするためのアイテムが
20円だったり、不快なユーザをキックする機能のアイテムが100円だったり、そんなものにまで
お金払わされるのか!と驚くアイテムもありますが、値段としては本当に小学生でもポンポン
買えてしまう「駄菓子屋価格」でした。これなら1回ポイントを購入してしまった後なら
迷わず手が出せそうですね。







しかし、このシステムにも疑問というか問題も2つほどあります。



1つ目は果たしてそれでサーバ運営費がまかなえるのか?といった問題。
月の料金が固定のROやSealなどの本格的MMOに比べて、ハンゲーム・メイプル・サバイバル等は
開発費も安くて済むでしょうし通信量も本格MMO程で無いのでサーバ維持費、回線維持費も
それらよりは安く済むでしょう。しかし、それでも相当量の運営コストがかかるはずです。


そんな時、無料で遊ぶユーザを多数抱えて、一部のユーザが払ってくれるだけのお金で
ゲームの環境を維持して、なおかつ儲けを出せるのか?といったところには疑問があります。
ハンゲームのNHN Japan、メイプルのネクソン、そしてこれからゲットアンプド
サバイバルプロジェクトで参入するガンホー、果たしてこれらの課金システムからによる
収支はどうなる&どうなっていくのでしょうか?


常に人数*固定額で収入の見通しを立てれる本格MMOと違い、だれがいつどの位払ってくれるか
ハッキリしないという(平均額は出せると思いますが)デメリットもあるはずですが、その辺
どのように考えているのか是非ともどっかの記事で読んでみたいものです。



2つ目は、いくら小額からユーザに払わせることができるといっても、ゲーム内で使える
ポイントを購入するために必要なWebMoneyなどのネット上のプリペイドキャッシュが
コンビニなどでは1000円単位でしか買えない事が多い点です。しかもお店に商品として
並べてあるのではなく、店の端末で買うか店員に頼まなくてはいけません。
これでは子どもには金銭的にも心理的にもハードルが高いでしょう。


せめて500円くらいで、スクラッチ番号の書かれたカードをパッケージングして
コンビニのお菓子・玩具コーナーに置くとか、おもちゃ屋さんの店頭に置くとかしてくれれば
買っていく子どもも増えると思うんですが…

売店のシステムを利用する経費や、販売店へのインセンティブを出すためには1000円くらいは
まとめて買ってもらわないと困るのでしょうか。うーん、できないんでしょうかねえ。


ラグナロク青箱カードセット 500円
何かアイテム1個が受け取れるRO専用スクラッチカード1枚とキャラクターの絵カード1枚
あと、WM300ポイント分のスクラッチカードの3枚セット、とかなら売れる気もするんですが
どうでしょうかね。 料金月固定のROを例えにするのもアレですけど。



そんなことを考えてたら近くのコンビニが最近ソニーEdy導入したのですが、あれって店頭で
1円からチャージできるらしいですね。それなら本当に買いたい分だけチャージ出来て子どもでも
楽に買えそう。*2電子キャッシュ競争で数年後にスタンダードになれるのはEdy?*3



これからますます増える低年齢のネットユーザ。
なかなか障害も多いターゲットですが、このパイをどうやって各社が自分の手中に収めようとするのか
ビジネス的に今後が楽しみです。

*1:カードのLvUPの成功率。つまりは精錬成功率といえばROSOユーザにはわかるはず

*2:実際は1円からチャージできるといってもハンゲームのポイントは300ポイント=300円が最低の購入単位だったり、ゲーム側での敷居がありますが、それでも現在のWMなどの1000円などよりは安くなるでしょう

*3:まあEdyは他にもソニーとかドコモの影響力使ってあちこちに展開してるようなのでスタンダードになれたところで不思議ではないのですけど